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太陽ハウス岩橋成行社長、2006年(平成18年)4月4日(火曜日)毎日新聞内ちばワイド「山椒は小粒〜中小企業奮戦記」にて掲載されました。

不動産会社のワンマン社長だった。バブル崩壊後も社業は順調。しかしなにか違和感があった。8年前、松戸市周辺の同業他社のうち2社が倒産した。どちらもワンマン経営。「次はオレの番か?」と危機感を抱き、さまざまな経営セミナーに通った。不安は消えなかった。

ワンマン経営を変革 〜社員と共に社長も成長〜

太陽ハウス(松戸市新松戸)の岩橋成行社長(61)は25歳で不動産業界に入り、35歳で独立。将来性を見込んで松戸を本拠点と定め、地元密着を心がけた。

80年代末、金余りの東京から、次々に土地買い取りの希望が舞い込んでいた。東京と松戸では相場が違う。地主が「坪60万円、100坪6,000万円で上等」と思っている土地に、1億円をつける買い手がいた。同業者は地主から土地を買って転売する「土地転がし」で巨額の利益を得た。太陽ハウスだけは、地主に買い手を紹介する仲介に徹した。手数料は数百万円にすぎない。
 
「商売下手と笑われました。でもよそ者が信用を得るには地主さんの利益優先じゃないと。2度の石油危機を通じて、バブルの危うさも予感していた」

土地転がしに手を染めなかったおかげで、バブル崩壊後に不良資産を抱えずに済んだ。それどころか仲介で利益を得た地主たちの信頼を得て、その資金提供でマンション建設、賃貸管理、リフォームと社業を拡大できた。

「社長の器以上の社員は育たない」

ワンマン社長の欠点を指摘されたのは98年。信頼する先輩経営者に誘われて参加した中小企業家同友会の経営指針成文化セミナーだった。4ヶ月間に計5回。濃密な学習と、手厳しい異業種の先輩経営者の助言を受けた。それまで抱いていた違和感の正体が分った。ワンマンゆえに社内には「指示待ち」の気配が漂っていた。優秀な若手ほど途中退社した。

「これでは将来はない」と納得し、どのような企業を作るのか、あらためて社員と話し合い、企業理念や経営指針を成文化した。率先して自己変革を目指す社長の姿に、社員達も反応し、アイディアを出し始めた。

たとえば、01年末から始めた「地域貢献大学」。専門家を講師に、防犯対策や成人病対策などを学ぶ。地域への感謝の念を込めた活動なのでもちろん無料。最初は「売名行為」と陰口を言われたが、すでに開催15回。毎回50人以上が参加するほど定着した。

03年7月には、国際的な環境マネジメント企画ISO14001の認証を取得した。環境保護方針を立案・実行し、データ化して点検する。最難関といわれる企画に挑戦し克服することで、会社全体が自信を持った。

いずれも幹部社員が発案し、下が支えた。社員数は98年当時の15人から、支店・系列会社を含め70人に増えた。

「トップダウンだったら出来なかったこと。社員と一緒に自分も成長できる。それが経営者のだいご味」

元ワンマン社長は語る。


[2006年(平成18年)4月4日(火曜日)毎日新聞内ちばワイド「山椒は小粒〜中小企業奮戦記」]