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▼けれども実は、窓のように「見える」結露よりも壁の内側の「見えない」結露の方が |
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、問題が大きいのだそうだ。カビが発生しやすいし、それを食べるダニの繁殖も勝手放 |
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題。建物そのものも弱っていく。たとえコンクリート製であっても、ひび割れから水が侵 |
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入すれば劣化する。 |
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▼そうした結露を防ぐ方法として、「外断熱」という耳慣れないことばを聞いた。省エネ |
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ルギーのために入れる断熱材を、建物の内側ではなく外側に置いて、全体をすっぽり |
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包み込むようにする方法である。なるほど、こうすれば室内の暖かい空気が冷たい壁 |
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にぶつかることはなく、結露しない。断熱の効果もぐんと良くなる。 |
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▼スウェーデンでは1973年のオイルショック直後、国を挙げて建物の省エネ対策を研 |
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究し、気象学や熱工学、微生物学、経済学などの専門家が4年がかりで、具体策をま |
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とめた。 |
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▼日本はといえば、ビルでも住宅でも外断熱工法はほとんど採用されていない。科学 |
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的な検討をする前に、柱と柱の間に断熱材を詰め込むやり方が広まってしまった。手 |
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間がかからず、費用も安くできるためらしい。例外の一人が東京都小平市で工務店を |
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経営する松井修三さんだ。9年前に外断熱の木造住宅を造ってみて良さを実感、以後 |
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はこれしかやらない。「断熱は寒冷地に限らず大事なことなのに、無関心な人があま |
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りに多いですね」 |
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▼スウェーデンでは省エネ対策を検討する際、あえて建築の専門家を入れなかった。 |
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慣習やしがらみを断ち切って、原理的にもっとも良い方法を探ろうとしたのだろう。 |
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(朝日新聞2000年(平成12年)1月28日 金曜日「天声人語」より) |